映像編集のアプリケーション雑観
PCで映像編集をはじめたいという人にどのアプリを勧めるかという話になると、「何を目指しているかによる」というのが答えになります。「それぞれのアプリはそれぞれの~」と言いかけて「EDIUS! EDIUSが一番いい!」とローマの休日ばりに言いたいところですが、実際問題よき部分がアプリごとに違います。
ですので、目的別で区分けしてサジェストしていきます。
ムービー的なものを創りたい場合
所謂ムービーのようなものを作ってみたい、コンポジット作業をしたい、というのであればもう何も考えずにadobe CCを契約してください。学生さんならば学割で、学生さんでなければAmazonプライムデーかサイバーマンデー、もしくはサイバーマンデー前の11月あたりに毎年12か月分の利用権がディスカウントで提供されています。
自分は、aviutlやffmpegは推奨していません。aviutlをうまく使えば最終形態を同じような見た目にすることは出来るようですが、プラグインで機能強化していくシステムは個別設定になりがちでいざという時に作業を他人と共有するのが困難です。これはAfter Effectsで導入しているプラグインでもちょくちょく発生している問題ですが、スケジュールや賃金の問題で前任者が降りるとなった時に引き継ぐには外部プラグインの導入環境が整っていない場合はプラグイン使用箇所をプリレンダリングしておく必要が出てきます。aviutlに関しては操作レベルの段階でプラグイン導入で整えていく必要があり、これを共有していこうと考えただけでやり取りが面倒です。
特にコンポジットは仕事になった場合は書き出し時間もかかる手前忙しくなりがちなので。可能な限り引継ぎや共同作業の手間が減るように配慮しておいた方がいいと思います。そういった配慮も含めて、adobe CC推奨です。あとはblenderなんかを入れておくといいかもしれません。
とにかくお金をかけたくない場合
DaVinci Resolveとmyncを入れてください(myncはwindows機向けアプリになりますが)。DaVinciは無料版で充分な機能を備えていますしmyncも2018年8月現在ベーシック版が期間限定無料で手に入ります。今ならタイムライン型映像編集が無料で始められるチャンス! 急げ!
ちなみにmync自体にも簡易編集機能が付いています。
ドラマ編集にムービー的な要素はいらねぇ! という人
ドラマに変なムービー的要素が入ると気が削がれるだろう。ディゾルブとワイプ以外は使えなくね? 発砲や血の合成作業はもうコンポジッターに投げるわ。という方。おめでとうございます。あなたはEDIUS Pro一択です。
ことカット編集においては現時点でEDIUSが最強であるとしか言えません。軽快さ、利便性、対応フォーマット、作業スピード、全てにおいて他を圧倒しています。Vシネマや低予算映画の関係者は全員EDIUSにすればいいのにと思います。特に未だにFinal Cut Pro7を32bitで使用しているような方たちは、一刻も早くお金を払ってWindows環境を整えEDIUSを導入すれば今まで無駄になっていた時間的ロスやコストがいっぺんに解消されるでしょう。
EDIUSはいいぞ。
過度なサジェストにはなりましたが。実際の使用例としては自分のようなVシネマ、それからブライダル・地方局などで活用されているほか、最近聞いた話では高校の放送部で導入されていることも多いようです。その他、VEGASは海外でよく使われていて、こちらは過去に音楽作成アプリとして一世を風靡したacidがベースになっているので音のテンポ調整とかが便利かなといった印象です。VEGASに関してはいつもソースネクストで激安販売していますので導入にかかる費用は少なくて済みます。ただVEGASで出来る事はほぼDaVinci Resolveで出来るんじゃないだろうかというイメージです。個人の感想です。
はてさて。私のおススメですが。EDIUSとadobe CCどっちも入れてください。カット編集はEDIUSで済みますが装飾に関してはPhotoshopとillustratorが欲しいですしLightRoomはものすごく便利、DreamWeverもあって損はなくpremiereではDNxHD系コーデックで書き出しやすいです。ウチにくるタイプの作業でもAEをサイネージやらグリーンバック合成で使います。CCの月額費用分以上は仕事で使います。「だったらEDIUSは無くてもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、私個人の場合はEDIUSを使うことでひと月あたり100時間以上は時間短縮できています。premiereでカット編集するのと比べると倍以上のスピードで終わります。EDIUSはEDIUSで必須です。カット編集は編集アプリに、ムービーはコンポジットのアプリに。それぞれ特化して設計されたものを使いましょう。
スポンサーリンク
最近のコメント